教員の年間の「授業担当時間」をOECDの平均まで増加することで、「学級規模」もOECDの平均に近づくのではないか。せめて、2003年度のPISA調査で学力世界一となったフィンランドと同じくらいまで「授業担当時間」を増やすことで、「学級規模」を少しでも小さくすることはできないものか。公教育に関しての「素人」(レインマン)の私は単純に考えてしまう。
(エ)もし、「授業以外」の業務が多くて、「授業担当時間」が増やせないのであれば、「業務の抜本的見直し」や「選択と集中」はできないものか。
 児童・生徒の「コア・コンピタンス」を身につける上で大切な教育は確実に行いながら、「授業時間」をせめてフィンランド並みに、できればOECD平均並みに増やすことで「1クラス人数」を少なくすることはできないものか。事務的な書類や教育委員会への提出書類を必要最少限にしたり、ICTを活用して事務部門の生産性を大幅に向上させることはできないものか。
(オ)民間企業では、製造業と比べ、日本の「サービス産業の生産性」の低さが指摘され、2010年までに「サービス業の生産性を現在の1.5倍」にすることが、政府の「骨太方針」に目標として示されるに至った。
 教員の担当する事務処理の生産性を1.5倍にすることを目標にすることで、総労働時間を増やさずに「1クラス人数」を減らす取り組みを各市、各町でスタートすることを提言する。
(カ)民間企業では変形労働時間制を採り、年間の総労働時間を増やさずに、繁忙期に勤務時間を集中する取り組みをしているところが多い。
(キ)教員にも「変形労働時間制」を大幅に採用し、夏休みには思い切って長期間の休暇を取ってもらい、その代わり、学校にとっての繁忙期に勤務をお願いしたらどうか。「選択と集中」を教員の労働時間にも積極的に行うことを提言する。
D「教職専門職大学院」の活用で、「教員の力量」大幅向上を
(ア)OECD・PISA調査で学力世界一になったフィンランドはもとより多くの国々で、教員教育(Teacher Education)が大学の学部レベルから教育現場での実習を大幅に取り入れた大学院修士課程に移行している。予定より1年遅れになったが、日本でも来春より21の教職専門職大学院が発足する見込みだ。学部レベルでの教員教育は、教える内容の教師としての「教養教育」と「教科専門教育」を中心とする根本理解を、大学院修士課程では「教授法」や「学校マネジメント」を中心とした「教職専門職教育」を教育すべきものと考える。
E英語教員については、
(ア)教職専門職大学院修士課程で、「第2言語としての外国語教師」(TESLテスル)を5〜10年以内に全員に取得させ、語学教師としての力量大幅向上を図ることを提言する。
(イ)OECD諸国においては、大半の語学教師は「第2言語としての外国語教師」取得者であり語学教育の専門家であることを思い起こして頂きたい。
(ウ)ALTを採用する場合には、大学院修士課程修了の「第2言語としての語学教師」(TESLテスル)の資格保持者以外は採用しないしくみを、栃木県教育委員会と各市町教育委員会は早急につくり上げるべきである。
(エ)栃木県の各市町で英語を教える教師は日本人も外国人も全員、大学院修士課程を修了した「第2言語としての語学教師」(TESLテスル)の資格を取得している状況を10年以内につくり上げるべきである。

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