(エ)「心の相談員」の職務に「問題解決」を追加し、児童・生徒の立場で問題を解決するという結果を期待したらどうか。
(オ)例えば、「いじめ」のために不登校になったとの相談があったら、本人と保護者から十分事情を聴いた上で、相談者本人がいじめた相手方と言っている人とも、秘密厳守で礼儀と誠意を尽くして会い、話を聞き、どうしたら不登校という問題が解決できるかを考えたらどうか。
(カ)また、担任や一部の教師の心ない一言で不登校になっている場合には、校長や副校長などの許可を得た上で、相談員が当該教員と秘密厳守で礼を尽くし誠意を持って直接話し合い、どうしたら問題解決になるかを考えたらどうか。
(キ)できるだけ穏やかな形で、粘り強く、相談者である児童・生徒や保護者の立場に立って「問題解決」に至るまで相談業務に当たる「問題解決型の教育相談」制度を全市町村に設置することを提言する。
(ク)また、「養護教諭」には「心理療法士」の資格取得を促進。学校において、身体だけでなく精神の健康管理の専門家として業務を遂行するような制度設計をすることを提言する。
 保健室登校をする児童・生徒に、身体面での知識だけで対処できる時代は過ぎ去ったと言えるからである。
J(ア)学校に対しいわれのない言動を執拗に続ける、所謂(いわゆる)「モンスターペアレンツ」の中には、「心に病」を持つ人も多いようだ。
(イ)「心に病」を持つ人に、専門知識の不足する教員が対処することは困難を極める。精神科や神経科などの「心の病」の専門医と学校との連携を強化するしくみを、各市町の教育委員会が栃木県教育委員会との協力でつくり上げることを提言する。
K(ア)学業不振の児童・生徒を多人数のクラスの中で授業中指導し、学業不振の原因を究明した上で、よく「理解」していないところまで遡(さかのぼ)って指導し、「うん、なるほど」とよく「理解」させたり、よく「理解」した内容を知識として正確に身に付けさせる「定着」をさせるために、「音読練習」や「書き取り練習」、「計算練習」、「問題練習」を繰り返し行って学業不振の状況から脱却させることは困難を極める。
(イ) フィンランドやアメリカなど世界の多くの国々の教育熱心な学校では、学校に「教育ボランティア」を積極的に導入して、学力不振の児童・生徒の解消に向けてのしくみをつくり上げている。
(ウ)始業前の補習、放課後の補習、休日の補習などに「教育ボランティア」を活用すると同時に、担当の教員とともに1〜2名の「教育ボランティア」に教室に入り授業に出てもらい、必要な児童・生徒の横について授業中指導するしくみを、栃木県においても各市町で積極的に行うことを提言する。
(エ)但し、「教育ボランティア」であっても、採用試験を行った上で、事前研修会、定期的な研修会、担当教員との打ち合わせ会への参加を義務付けることはもちろんである。
(オ)「教育ボランティア」の積極的活用による「落ちこぼしゼロ」の市づくり、町づくり、栃木県づくりを目指すべきと考える。
L(ア)児童・生徒数の減少により、空き教室が存在する学校も増えてきた。教室に余裕のある学校では、小学校高学年と中学校において「教科別教室制」の導入を図ることを提言したい。

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