(6)年齢に応じて「よく生きる」ために勉強することも大切です。
@参考になるのが、孔子の教えを書き伝えた「論語」の「為政第二」。
「子日わく、吾十有五にして学に志す。三十にして立つ。四十にして惑(まど)わず。五十にして天命を知る。六十にして耳順(したが)う。七十にして心の欲する所に従えども矩(のり)を踰(こ)えず」
(通釈)孔子が言った。私は十五歳で学問に志し、三十歳で、思想も、見識も確立した。四十歳で心の惑いもなくなり、五十歳で、天から与えられた使命を自覚した。六十歳で、何を聞いても耳にさからうことがなくなり、七十歳になると、自分の欲望のまゝに振舞っても、その行動が道徳からはずれることはなかった。
*須永美知夫著「論語抄」(第3版)足利市教育委員会(史跡足利学校事務所)、平成15年9月1日発行、9〜10ページより引用。
A15歳までにする勉強、30歳までにする勉強、40歳までにする勉強、50歳までにする勉強、60歳までにする勉強、70歳までにする勉強の内容が充実していてはじめて、孔子の言う状態になります。そのためには、
ア15歳までに「学問に志す」だけの勉強をすること。
30歳代までに「思想や見識を確立する」だけの勉強をすること。
40歳代までに「心の惑いがなくなる」だけの勉強をすること。
50歳代までに「天から与えられた使命を自覚する」だけの勉強をすること。
60歳代までに「何を聞いても耳にさからうことのない」だけの勉強をすること。
70歳代までに「自分の欲望のままに振舞っても、その行動が道徳からはずれることがない」だけの勉強をすること。
(7)私は、「びょうぶ型人生」を目指して勉強することも、「よく」生きるためには大切かと考えます。
@「びょうぶ型人生」とは、人生のびょうぶを何枚かに設定して、そのびょうぶをしっかり立て、「よく」生きるために勉強するものです。
A
B例えば、1枚目は「仕事」、2枚目は「趣味」のスポーツ、3枚目は「ボランティア活動」、4枚目は「執筆活動」というように、1つ1つのびょうぶはそれぞれの「勉強」を積み重ねてはじめて充実する。1つ1つのびょうぶの内容は異なるものだが、同一人物がやるものなので、高さや、厚みを調整するというバランスも必要。
 
Q:林さんは何のために勉強しているのですか。
A:私ですか。私は、私に与えられた「社会的使命(mission、 ミッション)」を少しでも全うするため、果たすために勉強しています。
 

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