すべての人に平和を
ユネスコ憲章(前文)には、「戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心に平和のとりでを築かなければならない。相互の風習と生活を知らないことは、人類の歴史を通じて世界の諸人民の間に疑惑と不信を起こした共通の原因であり、この疑惑と不信の為に、諸人民の不一致があまりにもしばしば戦争となった。ここに終わりを告げた恐るべき大戦争は、人間の尊厳・平等・相互の尊重という民主主義の原理を否認し、これらの原理の代わりに、無知と偏見を通じて人種の不平等という教養を広めることによって可能にされた戦争であった。」とあります。
新型コロナウイルス感染拡大は、世界中の人々から命と人々が集うことを奪っていきました。そして、多くの命を奪い、誹謗中傷、差別というまさに疑惑と不信をもたらしました。しかし、人間の尊厳、平等、相互の尊重に改めて目を向けさせるきっかけも与えてくれました。また、低頻度巨大災害や、気候変動によると思われる多くの自然災害、そして自然破壊は環境という問題に目を向けさせ多くの国が取り組むようになりました。これらの課題は、今を生きる私たちが文化や考え方の違う世界中の人たちと共に理解し、協力しながら考えていかなければなりません。私たち民間ユネスコは、ユネスコ憲章の理念を共有しながら、我々の実践を共有し、自分達の出来ることを改めて確認する機会をもたなければなりません。そのキーワードとなるのが「平和」「多文化共生」「SDGs」です。今大会を通じて、次世代に最高のバトンを渡す機会になりますことを祈念します。