学力低下世代と呼ばれないために
 
 
 先日、新課程の高校数学の教科書を見てびっくりしました。まるで数年前までの中学校の教科書の内容と変わらないのです。あらためて「ここまで来たか学力低下」と考えさせられました。
 去年の東京大学の入学式で、就任したばかりの佐々木毅学長が次のような式辞を述べました。「東京大学を卒業しようと、もはや一生の安定が保証される時代ではない」「東京大学としてはそれこそ情け容赦なく『学力低下』を防止し、その水準維持に努めざるを得ない」「早晩、各学部において、学力のより厳格な管理システムが導入されるものと覚悟していただきたい」と。また先日、朝日新聞に東京大学をはじめとする国立大学において、将来的に「センター試験5教科8科目構想」の談話が掲載されました。これは2004年度入試から始まる「センター試験5教科7科目(英語・数学2つ・国語・社会2つ・理科)」をさらに発展させ、理科を2科目必修としたもので、近頃毎日のように新聞等で話題になっている「理数科目における学力低下」を懸念した大学の動きであると考えられます。04年度の大学入試センター試験で、大半の学部が受験生に「5教科7科目」を課す国立大が、95大学中79大学に上ることが国立大学協会の調査で分かりました。05年度以降の実施を含めると89大学になります。勉強する科目を増やして学力低下に歯止めをかける狙いですが、受験生には大きな負担になりそうです。
 現実に学力は低下しています。〈別表〉に「日本の国立・私立のトップ大学における学力調査の結果」を添付したのでご覧いただければ一目瞭然だと思います。資源の少ないこの国は「学力大国」でなければ国際社会の中で生き残れないと考えれば、かなり不安になる結果ですが、現在、各大学を初め多くの方がこの問題を真剣に受け止め、指導要領を昔に戻そうと努力しています。
 私が一番危惧しているのは、何年か後に指導要領が元に戻ったとき、現時点で小学生から高校生である皆さんの世代だけが、「学力低下世代」として歴史に残ってしまうことです。首都圏の高校の中にはすでに新しい教科書を無視して旧指導要領で授業を行うところが出できています。開倫塾でもこの問題にいち早く対応し、「新指導要領における削除箇所」を年間カリキュラムの中の指導内容に加えました。「学校で習わないから」「定期テストに出ないから」などと考えずに、削除内容は、皆さんの最終目標である大学受験にはほぼ確実に出題されますので、開倫塾のカリキュラムを信じて学習してください。

 







開倫塾ニュース2003年5月号
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