Q:人様とは誰のことですか。人様に役立つとはどういうことですか。
A:仕事をする場合でしたら、仕事には必ずお客様、難しいことばで言えば顧客(こきゃく)がいます。仕事とは、もの(製品)やサービスを提供することですが、ものやサービスを提供することでお客様(顧客)の問題解決に役立つことが大切です。お客様(顧客)の問題解決に役に立たなければ、仕事をしたことにはなりません。
Q:だから、「問題解決能力」のある人が社会では求められるのですね。
A:その通りです。
3.「能力」とは−鍵になるような大切な能力とは何か−
(1)ことばや知識、技術をうまく用いる能力(相互作用的に道具を用いる能力)
(2)ことばや文化が異なる人々と交流する能力(人間関係をつくる能力)
(3)自律的に活動する能力
(*「キー・コンピテンシー・国際標準の学力をめざして」明石書店2006年5月31日刊、
200〜244ページ)
Q:「問題解決能力」を身につけるためにはどうしたらよいと考えますか。
A:3つの鍵になるような大切な能力(キー・コンピテンシーといいます)を身につけることを目指したらよいと思います。
Q:最初の「ことばや知識、技術をうまく使いこなす」とは、どのようにすることですか。
A:小学校や中学校、高校、大学、大学院、専門学校、専修学校などで学ぶ内容を十分「理解」し、それを「定着」させて、社会に出てから使えるようにすることです。これからの社会は、「グローバル化」がどんどん進んだ「知識基盤社会」になります。つまり、世界中の人々が自由に行き来するようになります。また、知識が基盤となる社会になります。英語とコンピュータは仕事の上でも欠かせません。学校の勉強はすべて社会に出て役に立ちますから、しっかりやっておきましょう。特に英語とコンピュータはよく身につけて下さい。自分の専門分野、つまり、これだけは人に負けないものをつくっておくことも大事です。やっていてどんどん引き込まれるもの、楽しいもので、人様のお役に立つもの、問題解決になるものを一つか二つ自分の得意分野、専門分野にすることをお奨めします。(ただし、「倫理」に反すること、つまり相手のいやがること、「道徳」に反すること、「法律」に反すること、「犯罪行為」をしてはいけません。)
Q:二番目の「ことばや文化が異なる人々と交流する能力」とは、何ですか。
A:グローバル化が進み、人やもの、お金が国境を越えてどんどん出入りするようになりますと、ことばや文化、大切なものに対する考え方−価値観−が異なった人々や人々の集団の中で交流する能力が求められるということです。
@他人とよい関係をつくるのも大切な能力です。
A協力する、チームで働くのも大切な能力です。
B争いを処理し、解決するのも大切な能力です。
(ところで、チームプレイとは何か考えたことがありますか。チームでプレイするときには、一人ひとりに役割があります。自分に与えられた役割は他の人を頼りにしないで完全にやり遂げること、また、チームメイトを信頼することで成り立つのが、チームプレイだと私は思います。)