学校法人有朋学園有朋高等学院
 2019年度 理事長講話
 
 
 
 
 
 
一生勉強、一生青春
~高校での勉強は役に立つ、一生役に立つ~
 
Key word:「価値」・「意味」・「秩序」とは
(1)まずは、1つ1つのことに含まれる「価値(大切さ)」とは何かを知ること
(2)その上で、自分にとっての「意味」を自分の力で考え、自分にとっての「意味付け」をすること
(3)最後に、ではどうしたらよいか、「行うべきこと」「行わないこと」を「自己決定」。自分で決めたルールに従い、「秩序」正しい行動をすること
 
 
 
 
 
 
2019年5月31日(金)
14:00~15:30
学校法人有朋学園有朋高等学院
    理事長  林 明夫
 
 
 
 
Q1:本日のテーマ「一生勉強、一生青春」とは何ですか。
A :(1)栃木県足利市出身の書家「相田みつを」先生のことばです。
(2)一生にわたって勉強し続ければ、一生にわたって「青春時代」、つまり、「青雲の志(こころざし)を抱いて、みずみずしく過ごすことができる」ということです。
(3)経営学の大家である「ドラッカー」という先生は、「教育ある人」を「勉強し続ける人」であると「定義」しました。私は、これに「一生」を加えて、教育ある人とは、「一生勉強し続ける人」であると考えます。
*「定義」とは
①あるものの意味を、他のものと区別できるように、はっきり決めること。また、その決められた意味。(漢語林)
②ある概念内容・語義や処理手続をはっきりと定めること。それを述べたもの。(岩波国語辞典)
 
Q2:「高校での勉強は役に立つ、一生役に立つ」のですか。
A :(1)高校で学ぶすべての教科の内容は、次の学年ですべて役に立ちます。また、上級学校、つまり、大学・短期大学・専門学校・専修学校・大学院でもすべて役に立ちます。なぜなら、学校で学ぶ教科の多くは積み重ねであり、相互に関連があるからです。上級学校での勉強だけでなく、企業をはじめ様々な組織で働くとき・社会的活動をするときにもすべて役に立ちます。
(2)役に立つのは、学校で学ぶ「教科」の内容だけではありません。学校での教育活動もすべて役に立ちます。例えば、入学式・始業式・終業式・卒業式などの学校行事、HR、様々な当番、部活動、生徒会活動、課外授業、修学旅行、芸術鑑賞などもすべて社会に出て役に立ちます。
(3)ですから、大切なことは、毎日の授業や教科外の活動に積極的に取り組むこと。また、授業の復習をして定着を図るのと同じように、学校で行ったことについて時々は振り返ること、「省察」することです。
 
Q3:「学校の勉強は一生役に立つ」というのなら、学校の教科書は保存しておいたほうがよいのですか。
A :(1)その通りです。学校の教科書や参考書などは、決して処分しないことです。いつも見えるところに置き、折に触れて読み直すことが大切です。学校で学んだ教科書を用いて、一生勉強し続けることをお勧めします。
(2)大学・短期大学・専門学校・専修学校・大学院など高等教育機関での勉強の前提は、高校での各教科の内容がすべて身に着いていることです。高校での勉強がよくわかっていないとついていくのが難しいですから、大学などに入学してからも不十分な点は、高校の教科書や参考書などを用いて高校内容を勉強し続けることが大切です。
(3)社会に出てからも、年に1~2度は高校や大学の教科書を読み直すと、素晴らしい仕事や活動ができます。豊かな人生を送ることができます。各教科の興味のある分野は、高校や大学での勉強を基礎に、さらなる勉強を一生にわたってし続けることをお勧めします。
Q4:ところで、これからの社会はどのような社会ですか。そこで求められる能力は何だと考えますか。
A :(1)①第1は、「知識基盤社会」、つまり、「知識が基盤になった社会」です。英語でKnowledge Based Societyといいます。
②そこで求められる能力は、「知識・情報・技術を相互作用的に用いる能力」です。
③「パソコン」は必須です。これからの世の中で活躍するには、ワード・エクセルは欠かせません。高校時代にもパソコンをしっかりと身に着けてくださいね。
*スマホでラインやゲームをする時間を大幅に減らして、パソコンの勉強をすることをお勧めします。
*スマホやパソコンが大好きな人は、アップルの創業者「スティーブ・ジョブズ」の伝記や、「Society5.0」など、これからの情報化社会についての本をお読みになることをお勧めします。「落合陽一」氏の作品も参考になります。是非一度読んでくださいね。
(2)①第2は、「グローバル社会」です。そこで求められる能力は、「多様な集団で交流する能力」です。「国籍・言語・宗教・習慣・文化・伝統・行動様式などを異にする多様な集団の中で交流する・うまくやっていくこと」は大切な能力です。
②そのために大切なことは、自分自身のこと、日本のことをより深く学ぶことと、コミュニケーションの手段である英語を身に着けることです。
③相手を自分と同じように尊重するということの前提は、自分自身を尊重することです。グローバル化とは、自分自身を見つめ直しながら、「多様な集団で交流」することといえます。
(3)①第3に、現代は「課題山積(さんせき)社会」です。
②解決しなければならない課題が山のように積まれた社会で求められる能力は、「高い志」を持ち、「自律的に行動する能力」です。
③大切なのは「高い志」を持つこと。その上で、自分自身を律しながら行動する能力です。
 
Q5:何が課題かを知るために最も有用なのは何ですか。
A :(1)「新聞」です。新聞を、毎日30分以上かけ、一面からなめるように読むことです。
(2)新聞を含むジャーナリズムは「社会の番犬(Watch Dog)」といわれます。社会の問題・課題の所在はここにあるよと、「ワン・ワン」と大きな声で吠えて教えてくれるのが「新聞」です。新聞を読んで身に着くのは、「自分で考える力」「批判的思考能力」です。
(3)ですから、新聞は1紙だけでなく、図書館を活用して数紙読んでください。日本語の新聞だけでなく、英語の新聞も読んでください。様々な言語で書かれた新聞を読むことが、その国や地域の現状や課題を知る最も効率的な方法です。英字新聞も、毎日30分以上読みましょう。
Q6:図書館には毎日行ったほうがよいのですか。
A (1)公立図書館や大学の図書館には、毎日行くことをお勧めします。
(2)新聞・雑誌・様々な本を読み、CDやPCを利用できるのが、現代の図書館
です。大学に進学したら、大学の図書館に毎日出かけてくださいね。
大学図書館は大学の心臓部です。一生にわたって図書館を活用し続ける
ことが、豊かな人生の第一歩です。
(3)図書館と同じように、体育館や公園、美術館や博物館、音楽ホールなどの「社会教育施設」も1か月に1回以上は訪問してください。
*福島市や福島県、他の都道府県・市町村、外国の社会教育施設や大学施設を大いに活用を。
 
Q7:「学力」とは何ですか。
A (1)学力とは、「自分から進んで学ぶ力」「自主的に学ぶ力」です。
(2)「学力」が身に着くと、「多様な選択肢のある人生を歩む」ことができます。(人生の成功)
(3)「正常に機能する社会」「持続可能な社会」の形成に貢献することができます。
 
Q8:すべての学力の前提条件は何だと考えますか。
A (1)「読解力」だと考えます。文字をはじめとする「情報」を正確に、
また、分析的・論理的に「読み解く」力こそ、すべての「学力」の前提です。
(2)この「読解力」を身に着ける上で有用なことが3つあります。
①第1は「辞書」の活用です。意味がよくわからない「語句」に出会ったら、辞書を用いてその意味を調べること。調べたことはノートやカードなどに書き写しながら、その場で覚える。書き写した「ノート」や「カード」は1ページ目、1枚目から何回も読み直して、正確に覚える。書き順も含め書けるまでにする。1日10回以上は辞書を用いて調べることを「学習習慣」にすることがお勧めです。辞書を用いて身に着けた「ことばは力」。「語彙(ごい)数は力」です。
②第2は「新聞」の活用です。新聞を一面から30分以上かけて読み続けること。新聞を読んで身に着くのは、「自分で考える力」「批判的思考(Critical Thinking、クリティカル・シンキング)能力」です。興味のある新聞記事は切り取り、「スクラップブック」の作成を。
③第3は本格的な「読書」です。学校の各教科の教科書で紹介されているような名作や古典とよばれる本を、腰を落ち着けて一語一語じっくり精読すること。これぞという本は6回読む。感銘を受けたことばや文章に出会ったら、「書き抜き読書ノート」に書き写し、生涯にわたって繰り返し読み続ける。
Q9:高校時代に身に着けておいたほうがよいことは何ですか。
A (1)第1は「勉強の仕方」です。
①勉強は一生続きます。高校時代に「効果の上がる勉強の仕方」を身に着けておくことです。
②学校でも社会に出ても試験はたくさんあります。試験の受け方も身に着けておくことです。
③そこで、参考までに私が考えた「学習の3段階理論」を最後に別紙で紹介します。
(2)第2は「メモ(ノート)の取り方とその活用方法」です。
①「仕事はメモで身に着ける」といわれます。
②メモ(ノート)が取れ、それが活用できないと仕事にならず、また、約束を果たすことができません。
③メモの取り方の基本は、「大切なことはすべてメモする」こと。メモの活用の基本は、「メモ帳(ノート)」は読みやすいように「整理」した上で、繰り返し読み直して正確に身に着けること。これに尽きます。
(3)第3は「5S(ゴエス)」です。
①「整理」seiri… 不要なものは捨てる
②「清掃」seisou… きれいに掃除をする
③「整頓」seiton… ものは同じところに置く
④「清潔」seiketsu…①~③を継続する
⑤「躾」shitsuke… 自分から進んで行う
*別の意味の「躾(しつけ)」も高校生にとっては大切です。
①「美しい立ち居振る舞い(たちいふるまい)」*服装を含む
②「美しいことば遣い(づかい)」*敬語表現を含む
―高校生は美しく生きよう―
 
Q10:最後に一言どうぞ。
A (1)「自己責任」「自助努力(Self Help)」「自分の未来は自分で切り開く」「あきらめたらおしまい」
(2)家族のよさ、友達のよさ、学校のよさ、福島のよさ、日本のよさ、アジアのよさなどよいところを探し、評価し伸ばす。自分のよさも自分で探し、遠慮しないでどんどん伸ばそう。思い切り伸ばそう。
(3)人生は長い。健康第一。「心の健康」「身体の健康」を大切に。
 
御清聴を感謝します。