第4は、旅行です。人は、国内・国外を問わず様々な場所を訪れることにより、多様性(自分と異なった文化、言語、価値観をもった人々が存在し、生きていること)を知ることができます。自分と自分と共に生きている人を大切にするように、旅行中に訪れる地の人々も、自分自身と共に生きる人たちを大切にしていることを知ることで、「寛容」とは何か、「寛容な心」の大切さを学ぶことができます。
第5は、少人数、できれば1対1で議論することです。10名までの少人数の勉強会は非常に有用です。とりわけ1対1、つまり2人での「対話」は、「本格的な勉強」のためには有用と考えます。
第6は、以上第1から第5の「勉強」をふまえて、ものごとの本質を自分の頭で考える自分自身での自問自答、「自分自身との対話」が最も「勉強」になる方法と確信いたします。
 
Q:勉強の成果を上げるためにどのような工夫をしていますか。5つ程あげて下さい。
A:第1は、まずはその分野で日本で最高の勉強ができる場所、できれば全世界で最高の勉強ができる場所を探し当て、そこで開かれる勉強会に積極的に参加することです。
 例えば、私は「マニー株式会社」の「社外取締役」に3年前に就任しました。その7年前の1997年より、企業統治(コーポレート・ガバナンス)の勉強をしていました。企業統治(コーポレート・ガバナンス)の勉強をするのに世界で最もよいと思われる団体が、ICGN(International Corporate Governance Network、インターナショナル・コーポレート・ガバナンス・ネットワーク)であることを知りました。その後、日本で世界大会が開催されたとき会議に参加させて頂いて以来、会員になっております。日程の都合で世界大会や会合には余り出席はできませんが、郵便やe-mailで配信されてくるICGNからの最新の情報は、できるだけ目を通しています。来年の2008年には、6月にソウルで世界大会があるので、是非参加しようと考えています。
 日本でのコーポレート・ガバナンスの勉強は、@「日本コーポレート・ガバナンス・フォーラム」、A「日本取締役協会」、B「全国社外取締役ネットワーク」などが盛んなようです。私は@とBに入会し、時間が許す範囲で参加しています。特にBの「全国社外取締役ネットワーク」は、大規模、中規模の勉強会の他に、5〜6名の少人数での意見交換を目指すグループでの活動が頻繁に開催されて、社外取締役としての実務上の「勉強」に役立っています。
第2は、その分野での「師匠」、「大家」と呼ぶに値する先生を探し当て、その先生が主宰する勉強会に何をおいても参加させて頂くことです。
 例えば、開倫塾はチェーンでの校舎展開を目指しておりますので、チェーンストア理論に基づいた経営が求められます。日本でのチェーンストア理論の権威は渥美俊一先生ですので、私は渥美俊一先生の主宰するペガサスクラブに入会させて頂き、渥美先生の御著書をできるだけ読むと同時に、ペガサスセミナーにできるだけ参加させて頂いています。また、ペガサスクラブの速記録で公刊されているものは、できるだけ買い求め、手元に置き、何回も読み返しています。同時に、ペガサスクラブで教えを受けた講師の先生(例えば、川崎進一先生、会田玲司先生、武川先生)の本もできるだけ買い求め、読み進めると同時に、先生方の勉強会、例えば会田玲司先生の主宰する日本ホームセンター研究所の会員になり、その勉強会にも参加しています。

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